【授業レポート:第9時】丈夫な構造体を作るにはどのようにしたらよいだろうか【島根大学附属】

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今回は構造の強度に関する授業になります。 まず、前回までの授業を振り返ってみます。前回はスチレンボードで実験を行いましたね。これは断面形状など、形状による丈夫さの違いを確認する授業でした。その前は、材料の強さについても授業を行いました。 材料の強さ、形状の強さにつづき、今回は構造の強さについて学んでいきたいと思います。

■1.丈夫な構造体を作るにはどのようにしたらよいか

各グループに以下のような実験セットを配布します。プラスチックの棒形状をネジ、ナットで結合したモデルを使います。

● 実験1

組み合わせ部分をとめている金具(ビスとナット)を締めると、どの程度構造として強くなるか確認してみます。(最初はゆるゆるに緩めてあります)

生徒

少し丈夫になった。

● 実験2

次に実験1で締めた金具を一旦緩め、部材を加えて、三角形構造に組み合わせてみて、どの程度構造として強くなるか確認してみます。

生徒

・強くなる。 ・動かなくなる。

● 実験3

実験2で加えた部品を外し、別の幅のある部材(厚紙でできています。素材としてはペラペラで強度のある部材ではありません。)を加え、片側を1箇所ずつとめてみて、どの程度構造として強くなるか確認してみます。

生徒

・丈夫にならない。 ・ぐにゃぐにゃのまま。

● 実験4

実験3を、片側を2箇所ずつとめるように変更して、どの程度構造として強くなるか確認してみます。

生徒

・丈夫になる。 ・結構、強くなる。

● 実験5

枠の全面を覆う部材(厚紙でできています)を組み合わせて、どの程度構造として強くなるか確認してみます。

生徒

・もっと丈夫になる。 ・ぜんぜん動かない。 ・三角形(実験2)と同じくらい。

実験を踏まえて、ワークシートを記入しながら、構造について考えてみます。

  • 四角形(平行四辺形の形状)は構造的に不安定。

  • 三角形の構造は安定している。

  • 板を使った構造でも、三角形の構造が生まれると丈夫になる。

ここで、身の回りに三角形の構造が無いか考えてみます。 体育館や校舎の耐震構造などに三角形の構造が見られますね。

■2.荷重を加えると部材はどのように変形するか

スライドを提示して、椅子のような形の構造体に対し、どのように感じるか聞いてみました。右図のような針金でできたような椅子の図ですね。生徒からは全然丈夫そうじゃないっといった意見がでます。

どこが不安定か、プリントに記載をしてもらい、その内容をグループで話し合ってもらいます。

話し合ったあと、どのような意見がでたか聞いてみます。

生徒

・脚が折れてしまう。

・脚がたわむ。脚が広がってしまう。

次の形(背もたれがあり、後脚と一体になっている)について、どのように変形するか予測してもらいます。

生徒

背もたれと後脚が反ってしまう。

最初の形に戻って、今度は左右に力を加えた場合に、どのように変形するかを予測してもらいます。 最終的には壊れてしまうかもしれませんが、最終的な結果ではなく、過程(最終的に壊れるにしても、どういった変形が起こった後に壊れるのか)を予測してもらいます。

生徒

内側から外側に向かって曲がっていく。

力の加え方により、どのように変形するか予測してもらった後、スチレンボードで作った椅子を実際に力を加えてみて、どのように変形するか観察します。

スチレンボードの椅子に関して、以下のような観点で観察を促します。

  • どのような材質で作られていますか。

  • どのような接合がされていますか。

  • どのような構造ですか。

■3.構造を補強してみる

スチレンボードの椅子に部品を追加して、椅子の補強を試みてみます。変形を軽減させ、破壊を防ぎ、丈夫な椅子にするためにどの部分をどのように補強するかを考えます。追加に利用できる部品は4つだけとし、どの部分が弱く、どのように補強すると効果的かを考えます。身の回りにある製品なども参考にするよう促します(技術室の椅子や筋交いといった構造など)。補強に使うパーツは両面テープで実際に貼り付けて、効果を確認します。

最後に、各グループの補強について、情報交換を行います。

今回は、短い時間の中でもたくさんの実験を行い、体感的に学ぶことができたのではないかと思います。結果を予測し、実験を行い、結果を確認することで、より深い学びに繋がるのではと感じました。