2023年3月24日(金)に高知県高知市にある高知県立高知国際中学校で合板DL教材と3D CADの講習を実施しました。当協会から講師として研修企画部長の原と,CAD担当の日本マイクロシステム尾見の2名が参加。
今回の研修は3D CADの演習を中心に計画・実施しました。

研修内容

タイムスケジュール

9:00~9:15講師自己紹介と協会の紹介
9:45~10:00合板DL教材の紹介
10:00~10:15休憩+教室移動
10:15~10:453D CADのご紹介
10:45~11:453D CADの演習
11:45~12:00質疑応答

講習の様子

合板DL教材の紹介

高知県内におきましては,初めて実物の合板DL教材を紹介する機会となります。
なぜ合板が技術分野「材料と加工の技術」の教材に適しているのか,合板が持っている技術的要素(テクノロジー)について説明・体験して頂きました。
また,本教材で授業を進めるために必要となってくる一発カット治具の演習,L材の作成実習なども短時間ではありましたが体験頂きました。
参加者の皆様には合板DL教材を使うことにより,課題解決や創意工夫といった試行錯誤が体験できる授業展開,個別最適化された授業に繋がる可能性を実感頂けたと思います。

一発カット治具の体験
L材のバリエーション

3D CADの紹介

木工室からICT教室へ移動し,3D CADの紹介をさせて頂きました。
3D CADの開発経緯や,3D CADを技術科授業に導入するための現状の課題などをお話ししました。

3D CAD操作演習

会場となった高知国際中学校のICT教室には3D CAD(caDIY3D-X)を導入頂いておりましたので,参加者全員が実際に3D CADを操作しながら演習を行いました。

基本操作の部分について説明を聞きながら実際に操作を行うというスタイルで演習を進め,授業に必要な機能を一通り習得頂いた後に,作例を基に実際の設計・作図を行う演習を行います。

課題の作例

1時間という短い時間で初めて操作するCADソフトということもあり,思うように進まない一面もあったと思いますが,他の3D CADソフトと比較しても短時間で習得できる学習コストの低さについて体感頂けたのではないかと思います。

ICT教室でのCAD演習

講習を終えた感想

会場を提供頂いた高知国際中学校の白井先生より感想を頂きました。


 本校は教育活動に探究的な学びを取り入れているため、そのための時間の確保は喫緊の課題です。
 じっくりと学ぶと学習は深まりますが、作業時間や試行錯誤の時間が減り手間が増え、その解決方法について模索していました。また、等角図の学習は、鉛筆を使っての作図のため、年々指導時間がかかっていました。さらに5mm方眼紙の利用は縮尺を使うと正確に記入することができず、時間をかけた割に完成度が低く、なかなか達成感を持たせることができませんでした。

 そこで今回の研修を受講させていただきました。合板や治具は今までの自分の経験をもう一度見直す機会になりました。技能を身につけることを重視していることに気づきました。指導要領にも課題解決のための授業が示されており、新年度に向けて授業改善のための示唆をもらえました。

 今回の気づきを生かし、新年度よりcaDIY3D(3D CAD)を利用しようと計画しています。初めての教具のため不安はありますが、初めて使用して1時間でいすの作図がほとんどできたので、中学1年生でもある程度の準備をしておけば、生徒の思考を視覚化し、達成感を持たせる作図ができるのではと期待しています。

(高知国際中学校 白井先生)


当協会では,今回紹介したような講習,研修会を随時受け付けております。ご興味のあるかたは,お問合せフォームよりお申込みください。

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