夏休み明け、最初の授業になります。
生徒は夏休みの前に自分の作りたい製品の設計を終え、スチレンボードによる模型製作を始めていました。夏休みの課題は、このスチレンボードによる模型を完成させておくことです。
■1.導入
生徒たちに課題が出来ているか確認します。夏休み前にすでに模型製作を終えて学校に置きっぱなしの生徒、夏休みの宿題として自宅で模型製作を行った生徒など様々ですが、夏休み前の生徒たちの設計から模型製作までの進度はバラバラだったので、夏休みの課題とすることで進捗を一旦合わせることになります。
自宅で模型製作を行った生徒の中には、学校に持ってくる間に一部壊れてしまったという事例もチラホラ。両面テープだけで組み立てるスチレンボードの模型は、丁寧に扱わないと剥がれてしまいがちですね。
とはいえ、簡単に剥がれるということは、もしかしたら設計が悪い(接着面積が小さい)などの問題も潜んでいるかもしれません。
夏休み明けということで、Chromebookのクラスルームや、配布したワークシートをまとめたファイルを見ながら、夏休み前に行った材料と加工の技術の授業を最初から振り返ります。
- Kismトライアルを組み立てたこと
- ノコギリによる切断の体験、接着剤での組み立て体験・木材と木質材料に関する学習
- 材料の強度に関する学習
- 構造の強度に関する学習
- 身の回りの問題を見いだして、問題を解決するための設計を行ったこと
- スチレンボードによる試作を行っていること
などなど
順を追って軽くおさらいをして、夏休みで忘れかけていた記憶を呼び覚まします。
■2.模型を作って気付く修正点は?
おさらいをした後は、作ってきた模型を基に、この設計で良いかを検討していきます。
スチレンボードの模型を作るうえで問題点に気づくこともあったかもしれませんね。
「作っている最中に何か気付いた人は?」という問いに、数人の生徒が手を挙げていました。
ワークシートを配布して、グループワークに取り組みます。
グループワークでは製作した模型を観察しながら問題点がないかどうか指摘しあいます。すばらしい設計には当然、ほめることも必要ですが、ほめるだけでは問題点を洗い出すことはできません。しっかりと観察して指摘を行うように促します。
もう一度、設計をする前に設定した制約条件を振り返ります。
- 組み合わせた部材の接合は接着接合のみで行う。
- 積層面同士の接合はしない。
- 1度は切断する。(キットの材料そのままで組立てない)
- 縦には切断しない。(縦挽きはしない)
- 1個所切断すると材料は2mm程度短くなる
これらの制約条件なども満たせているかも観点の一つとなります。
実際に作った模型と設計図を見ながら議論をしている姿が見受けられました。
制約事項の積層面同士を接合しないが出来ていない設計が多く見られました。また、材料をたくさん使いすぎている設計もあります。これらは、再び設計し直してから本製作に入っていきます。