山口大学教育学部附属山口中学校の德光先生より、曲げ試験機を用いた授業実践の報告が届きました。

■1.曲げ試験機を用いた授業実践

曲げ試験機を利用した、授業を行いましたので実践事例として報告します。

曲げ試験機とは、試験片に荷重を加えて曲げる力に対する強度を測定する曲げ試験を行うための装置です。 試験片を支えるための治具と、試験片に荷重を加える圧子、たわみの量を測定する検出器で構成されています。

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■2.授業の進め方

直前でスチレンボードを用いた授業をしましたが、やはり本物を使った実験は、子どもたちの反応も良く、盛り上がりました。

授業の流れは、まず導入として、基本形である1×1材は何キロまで耐えられるのか?と問い、試験手順の説明を兼ねて私がやってみせました。次に、生徒たちでできるよう、1×1材は積層面の向きによって強い、弱いがあるのか?と問い、試験をして確かめてみる事をさせました。そして、前時で学習した幅を2倍、3倍にすると本当に強さは2倍、3倍になっているのか、高さを2倍、3倍にすると、本当に4倍、9倍になっているのかを確かめさせることにしました。

試験機による計測では、おおかた公表値と同じ結果がでて、生徒は大盛り上がりでした。

なお、3×1材については180㎏になる・・・と予想され、試験機の限界を超えるので予想だけでやめておきました。

最後に、公表データと比較し、実験の振り返りと、今後の製作について見通しをもつ時間を設けました。

■3.振り返り

生徒の振り返りでは、

  • 材料の使い方(向き)で強さが異なることが実感できたので、できるだけ少ない材料で強い作品が作れないか挑戦してみたい。
  • 限られた材料で設計をしていくので、向きや形に気を付けて丈夫な作品を作っていきたいと思います。
  • 本当に2倍、3倍となっていてすごいと思った。
  • 木材の場所によっても強さが変わるのか?と思ったけど、節などの欠点が取り除かれている合板だから、安定した結果がでたと思う。
  • 大きくすれば強くなるとは思っていたけれど、同じ材料でも向きを変えるだけで強さが変わるのはすごいと思った。
  • 縦、横だけでなく、斜めにするとどうなるのか気になる。

といった記述がみられました。

今後、各学校でこのような試験機を用いた授業を展開することは、機材の準備などで難しいとは思いますが、これから製作に使用するホンモノの材料で実験できたことは、とても学習に有効的であると感じました。

当日の板書

■4.ワークシート

【ワークシート】曲げ試験機を使って実験をしてみよう
【ワークシート】曲げ試験機を使って実験をしてみよう

山口大学教育学部附属山口中学校 教諭 德光 慧

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