今回から、プレ体験学習としてKismトライアル(特注品)の製作をグループ毎に行います。

まずは、前回の授業の振り返りを行います。前回の導入学習では机と椅子を観察し、材質や構造について読み取りを行ったことを確認しました。

1 導入

その後、これからの授業の進め方について説明を行います。Kismトライアル(特注品)の完成品を示します。完成品をみた生徒の反応は、

  • イスをつくるの?
  • かわいい(サイズ感が小さいからか)

といった反応が見られました。
これからの数時間でこのKismトライアルをグループ毎に実際に加工、組み立てを行うことを案内します。
作ることが目的ではなく、実際に作る過程を通じて、技術的な工夫を読み取ることがめあてであると伝えます。生徒からは、「すごい!」といった声が上がりました。何がすごいのか尋ねてみると

  • いままで、作ったことがないから

といった声がありました。
実用品を作るといった体験が無いに等しい生徒たちからすると新しい体験の予感が持てたのだと思います。
ここで制作に使用する材料を配布します。

2 製作品がどのように設計して作ってあるのだろうか

以下のワークシートを配布します。

ワークシートは↓からダウンロードできます。

スライドを使って教室前方のスクリーンにワークシートの内容を示しながら各部の名称を説明します。生徒は、各部の名称をワークシートに記入します。なお、このスライドは生徒と共有しているのでChromebookで確認することもできます。

スライド1「座面」
スライド2「構造」

まずは、上のスライド1で示しているのが「座面」、「座板」といった名称の材料であると示し、ここではこの材料に幅の違う3種類の木材が使用されていることも伝えます。

続いて、座面を取り除いたスライド2の図で、構造の各部の名称を示します。ここで「前脚」の形状はL字状に組まれているので「前脚L材」と呼び、「後脚」はT字状に組まれているの「後脚T材」と呼ぶことにすると伝えます。次に、前後を繋ぐための材料が「幕板」、左右を繋ぐための材料も「幕板」と呼ぶことを伝えます。

(座面を支える部材が「幕板」で、地面に近い脚を繋ぐ部材は「貫」になります)

さらに、前脚、後脚を幕板と貫で繋いだ状態を「枠」と呼ぶことにすると伝えます。

Kismトライアルの部品のスライドから、手元にある材料がどの部材になるかを確認します。確認できた材料から鉛筆などで、部材名称を書き込みます。(確認と記入時間:5分)

部品のスライド(名称)
部品のスライド(寸法あり)

スライドには12x24x140といった記載をしていますが、この数字の意味(厚さx幅x長さ)についても伝えます。また、Kismトライアルはあらかじめ必要な長さにカット済み(プレカット)ではあるが、座面の部材については切断加工が必要であると示します。

手元に材料を並べているところ
部材の寸法を定規を使って確認
部材に名称を記入
記入ができました

3 部品を加工するコツはどのようなところにあるのだろうか

部材の組み立ての最初の段階として、L材、T材を接着剤を使って接合します。2枚目のワークシートを配布し、接着剤の種類について学習します。

今年度からはタイトボンドの「クイック&シック多用途接着剤」を利用します。こちらの接着剤は粘度が高く、赤ラベルのタイトボンドと比較しても垂れにくいといった特徴があります。
接着剤には瞬間接着剤など、何種類も種類があり、用途によって使い分けることを説明します。今回使用する接着剤のラベルを確認し、接着剤の種類をワークシートに記入します。

タイトボンド「クイック&シック多用途」
接着剤のラベルを確認

接着による接合の手順(ワークシートにも記載)を示した後、実際にL材、T材の製作をグループ毎に行います。組み立てのポイントしては、

  • L材の組み立ては、1×2材と1×3材を使うために、開口の広いばねクランプを利用する。
  • T材の組み立ては、材料の中心に接着したいので、使わない部材をあてがうなど工夫する。

(作業時間:20分)

T材を組み立て中
接着剤を慎重に塗布しています
L材は開口の広いばねクランプで
接着での組み立てでは圧締が必須です

接着の仕方をワークシートやお手本の動画(こちらも生徒と共有している資料でChromebookで確認できます)などで確認を行いながら、各グループ慎重に取り組んでいる様子でした。
最後に、本日の振り返りを記入し、接着した材料(圧締したままの状態)を所定の位置に保管して、本日の学習は終了です。

プレ体験学習の最初の授業ということで、これからの製作を通した体験、学びに生徒たちの期待も高まる内容となったのではないかと思います。

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