今回から島根大学教育学部附属義務教育学校(以下、島大附属とします)の後期課程7年生(中学1年相当)での「A 材料と加工の技術」を毎回レポートします。リアルな授業風景をお届けできるよう頑張りたいと思います。
島大附属では、「A 材料と加工の技術」と「B 生物育成の技術」を同時進行で進めます。「A 材料と加工の技術」を中心に進め、時々「B 生物育成の技術」を交えながら進めます。
今回は「A 材料と加工の技術」の導入学習になります。学習のめあては「身の回りの製品に込められた工夫を読み取る。」ことになります。
まず、以下のワークシートを配布し、ワークシートに沿って授業を進めます。
ワークシートは↓からダウンロードできます。
実際に学校で使用されている学習机と椅子を用意しました。
■1 製品に使われる素材の観察
この机と椅子がどのような素材で作られているか観察し、ワークシートに記入します(記入時間:2分)。記入後、数名からどのような素材から製品がつくられているか発表してもらいました。
生徒発表
- 机の上の部分が木材でできている。
- 机の枠の部分が種類はわからないけど、金属でできている。
- 机の下のところ(地面と接する部分)が、プラスチックでできている。
■2 製品の形状(構造)、加工技術の観察1
部材の形状や加工技術について観察し、ワークシートに記入します。部材の名称がわからない場合は、ワークシートのイメージに〇書きや引き出し線を使って記入させます。(観察を含めた記入時間:8分)
生徒たちは、実際に机や椅子に触れ、様々な角度から観察(時には椅子を裏がえしながら)を行い、発見したことを口々に発し、情報を共有していきます。
ワークシートへの記入が終わった時点で、2~3名に気づいた点を発表してもらいました。
生徒発表
- いすの座るところの裏に突起(リブのこと)がついている。
- 机のフレームの構造が前方にしか脚がない。負荷が掛かる部分なので、なんでこんな構造なのかわからない。(「負荷」という言葉が生徒から普通にでてきました)
現時点では、形状の意味などは分かっていないものの、実際の製品を観察することでいろいろな気づきがあったようです。形状の意味については、今後の授業でフォローをしていきます。
(ここから断面形状について発展させます)
■3 製品の形状(構造)、加工技術の観察2
技術室に設置してある椅子について、項目2と同様に技術的な工夫を観察し、ワークシートに記入します。項目3では椅子のスケッチなども行いながらの記入を行います。(観察を含めた記入時間:8分)
ワークシートへの記入が終わった時点で、2~3名に気づいた点を発表してもらいました。
- 釘やネジが一切使われずに椅子が組み立てられている。
- (↑この意見に対し)何か所かに細い穴があるので、その奥に金属の棒などで固定されているのでは?(実際には何箇所かにネイル釘が使われていました)
■4 「項目2の机、椅子」と「項目3の椅子」の違い
最後に、「項目2の机、椅子」と「項目3の椅子」の違いをワークシートに記入(記入時間:2分)し、振り返りカードを記入して本日の導入学習の授業は終了しました。
身近にある製品を題材につかうことで、実際に見て、触れることができ、製品に込められた工夫について気づきを得られる授業となりました。