■2.荷重を加えると部材はどのように変形するか
スライドを提示して、椅子のような形の構造体に対し、どのように感じるか聞いてみました。右図のような針金でできたような椅子の図ですね。生徒からは全然丈夫そうじゃないっといった意見がでます。
どこが不安定か、プリントに記載をしてもらい、その内容をグループで話し合ってもらいます。
話し合ったあと、どのような意見がでたか聞いてみます。
・脚が折れてしまう。
・脚がたわむ。脚が広がってしまう。
次の形(背もたれがあり、後脚と一体になっている)について、どのように変形するか予測してもらいます。
背もたれと後脚が反ってしまう。
最初の形に戻って、今度は左右に力を加えた場合に、どのように変形するかを予測してもらいます。
最終的には壊れてしまうかもしれませんが、最終的な結果ではなく、過程(最終的に壊れるにしても、どういった変形が起こった後に壊れるのか)を予測してもらいます。
内側から外側に向かって曲がっていく。
スチレンボードの椅子に関して、以下のような観点で観察を促します。
- どのような材質で作られていますか。
- どのような接合がされていますか。
- どのような構造ですか。
■3.構造を補強してみる
スチレンボードの椅子に部品を追加して、椅子の補強を試みてみます。変形を軽減させ、破壊を防ぎ、丈夫な椅子にするためにどの部分をどのように補強するかを考えます。追加に利用できる部品は4つだけとし、どの部分が弱く、どのように補強すると効果的かを考えます。身の回りにある製品なども参考にするよう促します(技術室の椅子や筋交いといった構造など)。補強に使うパーツは両面テープで実際に貼り付けて、効果を確認します。
最後に、各グループの補強について、情報交換を行います。
今回は、短い時間の中でもたくさんの実験を行い、体感的に学ぶことができたのではないかと思います。結果を予測し、実験を行い、結果を確認することで、より深い学びに繋がるのではと感じました。